マタニティ歯科治療
妊娠中は通常よりお口の中のトラブルが起こりやすくなります
妊娠4-15週ごろまでの間につわりが生じることがあります。個人差はありますが歯ブラシをすることがとてもつらくなることがあり、十分な清掃が難しくなることがあります。また一度にたくさん食べることが難しくなり食事回数が増えることで虫歯になるリスクが高くなります。
妊娠すると黄体ホルモン(プロゲステロン)、卵巣ホルモン(エストラジオール)、卵胞ホルモン(エストロゲン)などのホルモンが増加し(10‐30倍)、口腔内にいる歯周病に関連した特定の菌(Prevotella intermedia)の増殖を促進し、歯周病のリスクが高くなります。歯周病が原因による炎症性物質(IL‐1、TNF‐α、PGE₂)などにより早産(2.27倍)や低体重児出産(4.03倍)のリスクが高くなるといわれています。
安心して出産の準備をしていただくためにお口の環境を整える
出産の直前になって歯に痛みが出たり、歯茎が腫れて不安になったりしないように健診を受けていただき、安心して出産ができるように準備を整えることが大切です。
産後の安定した口腔環境を維持する
出産後は育児に追われたり、また治療や定期健診に行こうと思っても子供の面倒を見てくれる人がいないから受診できないなどの理由から、なかなか受診できずに症状が悪化してしますことがあります。できるだけ出産までに治療を済ませておいて落ち着いたら定期健診を受けていただくことをおすすめします。
これから生まれてくるお子様の健康な歯を作る
赤ちゃんのお口の中には虫歯菌はいません。赤ちゃんと接する機会が一番多いお母さんのお口に虫歯菌がたくさんいると、赤ちゃんに感染させてしまうかもしれません。お母さんのお口の健康こそが、これから生まれてくるお子様の健康なお口の環境をつくります。出産までに治療を済ませ、良好なセルフプラークコントロール(ご家庭でのブラッシング)を維持し、定期的健診を受けましょう。